株式会社テイジイエルから発売されているコンピュータRPG。ゲーム紹介雑誌によっては『マホホー』とも略されるらしいが、わたしはそうは呼びたくない。『魔法使いになる方法』 ( Win95版・1997年3月14日発売、Sega Saturn版・1998年8月頃発売 ) と、その続編『魔法使いになる方法〜夢見る星の物語〜』 ( Win95版・1997年7月25日発売 ) の二作がある。
魔法使い見習いの主人公になって、師匠のもとで修行し魔法使いを目指すというRPG。魔法を覚えることが物語の中心だが、物語半ばからは様々な事件が主人公を待つ。とはいえ、何といっても魔法を覚えるのが大変なゲーム。
魔法を覚えるには、しらみつぶしに島中を歩き回って、魔法材料を集め、これを調合、魔法の巻物を作らなければならない。CDと共についてくる説明書が魔法書を兼ねていて、約70種の魔法と約150種の魔法材料について書かれている。ゲーム中、プレイヤーは辞書をひくかのごとく、この魔法書をめくり続けなければならない。ゲームをクリアするころには、魔法書はまさに辞書のように手垢で汚れて仕舞う。
主人公は三人のうちから一人を選べる。一応、ライム:やさしい、ベリー:ふつう、ナッツ:むずかしい、となっているが、実際の難易度は変わらない。むしろ大して魔法を覚えずにランクアップできるライムの方が、後半に覚えていない魔法が多くなり大変になるかも知れない。
このゲーム最大の魅力は、何といっても魔法材料の美しさと、それを集めることだと思う。とはいえ、家の保管庫に保管できる魔法材料の数には限りがある(説明書では無制限と書いてあるのに……)。おまけに魔法材料の姿は、採集時と調合時にしか見られない。これは残念。
課題魔法を習得すれば魔法使いにはなれるものの、やっぱり全魔法を覚えたいもの。とはいえ、図書館の本と街で手に入る魔法だけでは全魔法にならない。おまけに師匠の教えてくれる魔法には偏りがあるので、三人とも全魔法を習得するのは無理。仕方がないので、覚えられる範囲で完全制覇をしてみよう。
『癒しの力の魔法』をさっさと覚える。これでイーノの連続攻撃を受けても大丈夫だし、『??の創造』も連発できるようになる。ただし、睡眠不足だけは、最大生命力が低下してくるのでどうしようもない。なるべく夜までに持ち物がいっぱいになるだけの材料を集めて、毎晩帰宅しよう。
『??の創造』を覚える。これで覚えられる魔法はこれで覚えてしまう。
街で買える魔法は買ってしまう。この際、お金の調達が問題(師匠への義理立ても問題か?)なのだが、わたしとしてはモールの洞窟が稼ぎやすいと思う。トゥルー系の材料を集めまくって街に売りに行こう。
とにかく全魔法を覚えようと思ったら、時間との勝負になる。普通に習得していくと、一つの魔法あたり最低一週はかかるので、約三年間(51週)の修行期間では全魔法制覇はできない。ちなみに、適度に課題失敗した場合、どこまで修行期間が伸びるのかは知らない。あと、次の課題となる魔法を先に習得していると、自動的にその次の課題に進んで仕舞い、一詩を無駄にするので注意が必要。
なんとアメミホロシムを売りはらって仕舞った!!後になってそれが二度と手に入らない花だと知った時にはあせった。ひたすら『魔法材料の創造』を唱えてなんとかしのいだが……。
『??の創造』を唱えていると、稀に出てくるのが無名の魔法。巻物として存在するようだが、名前は空白。唱えても、魔力は働くようだが、結果は特になし。習得できるが、八系統いずれにも属さないようだ。
ゲームクリア後、そのままゲームを終了せずに新規にゲームを始めると、以前の主人公の能力を継承できる。つまり初日から、魔法を覚えていたり、魔法材料を持っていたりできる。この場合、日付や日記の内容も継承される。ただし、この継承をやった場合、問題が生じないとも限らない。わたしはナッツでクリア後、ベリーに継承させてみたが、途中で登場するはずの人物が出てこなくなり、話が進まなくなって仕舞った。
なお、この問題はテイジイエルのページからアップデートファイルを貰えば解決します。
Sega Saturn版については、やったことがないのでWin95版とどこが違うのかは分からない。でも、これでより『魔法使いになる方法』が普及してくれるといいなァ……。
新たな魔法使い見習いパインとなって魔法使いを目指すRPG。今回は前作のライムが師匠となる。
魔法の習得が楽になった。前作では説明書に書かれていた魔法の材料や調合法が、オンラインヘルプとして見られるようになったので、かなり検索しやすくなった。しかし、いざ調合の段階になると、家の中ではヘルプが見られないため、結局前作同様、同時にNotepad.exeを準備する必要がある。できれば、ゲームとは別に単体でヘルプが起動するとよいのに……。
収集した魔法材料の一覧が見られるようになった。これでいつでも魔法材料の姿にお目にかかれる!
音楽もよくなったと思う。特に『東』などは普段聞いていても飽きない。若干無理もあるが、前作に今回のBGMを当ててプレイするのもよいと思う。またMIDIにも対応して、CD-ROMなしでもBGMが流れるようになったが、CD-DAに比べて貧弱すぎる。
物語が前作に比べて強制的になった。別に話がつまらなくなったわけではない。物語自体は選択肢が用意されて自由度は高まっている。しかし前作では勝手に自習できたのに、今回はそれができなくなって仕舞っている。確かにルール上問題ないとはいえ、まさか病人を放り出して何日も自習できないでしょう?どの話も、緊急性が高すぎるというか、もう少しのんびりした展開にして欲しかった。
雨が降らなくなった。前作の雨はけっこうよかったのに、今回はいつでも晴天である。確かに、前作の雨も、ザンジュール城の雨漏りとか、雨天でもよく鳴く小鳥とか、完璧ではなかったけれど……。
登場人物が圧倒的に増えた。しかも結構魅力的でよい。それは、普通のRPGでは、登場人物は皆、主人公を構ってくれるが、このゲームでは皆がそれぞれの思惑を持っていて、そのために行動しているからだろう。主人公との会話も、説明的ではなく、彼らが都合のよい部分だけを語っているところが面白い。ただ前作の主人公たちの性格が豹変しているのは残念。ライムはともかく、ナッツとベリー、ナーシャなどは殆ど別人に見える。顔も変わったけど、性格がね。
自宅を見る視点が変わった。前作ではやや斜めに家を見ていたが、今回はぴったり玄関方向から家を見るようになった。そのため家が格好悪く見える。
前日までの日記を部屋でしか読めないだけでなく、いさというときに日記が使えないということが多い。結局、ゲーム本体と同時にNotepad.exeを起動しておき、覚え書きを用意する必要があった。是非、次作では日記を強化して欲しい。
たまには森の風景や主人公の姿を描いた一枚絵が見たい。それほど重くならなければ、ポリゴンの森を歩いてもみたいと思う。
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