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未成年者犯罪の罰則を重くすることに反対する理由

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何かを成し遂げようという強い意志を持った者に、それを断念させるにはどうしたらいいだろうか? それがどれほど困難かを説いても、どれほどの経費が必要かを説いても無駄だろう。実行者にとっては、その説得すら目的に立ちはだかる一つのよき障害に過ぎない。成し遂げた後ならば、なおのこと説得を振り切ったことが懐かしい思い出となる。説得するならば、むしろ成し遂げようとしていることが、どれほど意味のないことなのかを説いたほうがよいと思う。

2000年5月15日のニュースステーションによると、未成年者による犯罪に対する罰則を重くするべきという意見が、若者を中心にあるらしい。20代では90%を、平均でも80%を上回っていたと思う。また未成年の罪人を実名報道するべきという意見も ( 条件付きを含めて ) 70%を上回っていた。

しかし、罰則を重くすること、実名報道をすることはかえって逆効果だと思う。成し遂げた犯罪者にとって、罪の重さはよき障害物に過ぎず、報道は名誉の証と成りかねない。むしろ必要なことは、犯罪がどれほど無意味なことで、愚かなことかを説得することだ。今、流行している犯罪と、かつての犯罪を比べてはならない。

自殺は伝染病に分類されているが、それをようやく世間も認めるようになってきた。今流行している未成年者による凶悪犯罪も同様に伝染病だといえる。流行を止めるには実名はおろか、犯罪の存在自体報道を禁止するべきである。ただし犯人の近所にすむ者、犯人と接触する可能性のある人には確実に報道する必要がある。これは再犯に対して備える必要があるからだ。『世間に対して犯罪の存在を完全に隠すシステム』と、『犯人に接触しかねない人に対して確実に犯人のことを知らせる検索システム』、これらを用意するべきである。

これはまた、被害者を報道機関から守ることにもつながると思う。


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